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越前には『ライン』と呼ばれる特別な漁場がある。【荒矢純一】

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福井県丹生郡越前町。普段は静かな漁師町ですが、冬のシーズンを迎えると、全国から人々がこの地を訪れ、町はにわかに活気づきます。お目当てはここ越前の特産品であり、冬の味覚の王者と呼ばれている『越前がに』。その味のファンは全国に多数、食通もその美味しさに魅了されています。

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越前町高佐にある越前がにの専門店「滝の川」。過去に何度もメディアや雑誌に紹介され、地元はもちろん全国にも知られているこの割烹料理店で、滝の川流の創作料理を披露し、腕を振るっているのが、店主であり、セリ人でもある荒矢純一さんです。

 

ajibito_araya03荒矢純一さん

荒矢さんは辻調理師専門学校在学中より、かに料理専門店に住み込みで修行を積み、調理師学校を卒業してからは、本格的に修行の道に入っていきました。

「『人に負けたくない!』という気持ちが強いんでしょうね。毎夜、みんなが寝静まってしまってから、きざみものから始まり、荒割、漬物づけや、さまざまな食材を選んで、色々な物を作っていました。」

 

 

その甲斐があってか、4年目には料理人総勢34人の、大阪でも名だたる料理屋にて火元をすべて任せられるまでになりました。その後、有名料亭からの引き合いもありましたが、家業のことを考え、越前で父親が経営する「滝の川」を継ぐために戻ってきたそうです。

 

「お客様に越前の自然環境の良さ、僕の和食の技術、海の幸の美味しさを、心をこめておつくりし、紹介させて頂きたい。お客様が僕の料理を食べて『うれしい、良かった!』と笑顔になるよう、精一杯頑張りたい。その一心でやって来ました。」

そんな荒矢さんのひたむきな気持ちがお客様に伝わり、さらに口コミを介して全国的に広がり、今では「越前がに料理といえば滝の川」と言われ、押しも押されぬ名店と呼ばれるようになりました。

 

ajibito_araya300旬とは何か

 「今でこそ最高級ブランド食材として位置付られている越前がにですが、昔は、越前がにというのは、カレイを曳く網に入って来ていた位の感覚だったんですよ。
冷蔵の設備がない時代には、当然禁漁もなく、夏でも蟹を獲っていましたが、皇室献上がはじまって以来、越前がにの旨さを知る方が増え、乱獲がはじまったため、今では漁期を決めて、一番おいしいときに漁をします。その味と、期間限定のレアもののため、現在ではブランド化されています。」

 

「しかも越前がには冷凍できないんですよ。『越前町史』にもはっきりと記載されているのですが、蟹の肉汁は、冷凍するとパサパサになってしまいます。特に越前がにの身の繊維は、殻にへばりつくようについているので、その旨みと蟹の肉汁のジューシーさが逃げてしまいます。旬の時期にしか食べられないからこそ、越前がには特別なおいしさを持つ蟹なんです。」

 

越前がには冷凍できない。だからこそ旬の時期にしか味わえない。旬の時期に食べるからこそ美味しい。冷凍技術と流通の発達により、年間を通して蟹を食べることができるようになった私たちに、「旬とは何か」を改めて考えさせられる言葉でした。

また、越前がにのブランド化は皇室献上が始まりだったとは初めて知りました。生態保護から始まりブランド化への道のりは困難の連続であったと想像できます。

 

品質にこだわり大きさにこだわる

荒矢さんの越前がにへのこだわりは「大きい蟹を仕入れること」だそうです。

「越前がには大きくなればなるほど、身の詰まりも良く、蟹味噌がぎっしり詰まっています。この味噌が越前ガニの特徴で、越前がに特有の白子入りの味噌なのです。最高の味覚である『蟹みそ』を食べていただきたい。越前がにの小さな小がには、確かに安いですが、せっかく越前まで来ていただいたのだから、品質の悪い蟹を何杯も使うより、自信を持って提供できる大きな蟹を厳選し、そのかにを丸々一杯使って越前がにを堪能していただきたいと思っています。」

 

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echizen2また荒矢さんは越前がにの品質にもこだわりを持っています。

「越前がにには『ライン』と呼ばれる小型艇でしか獲ることができない特殊な漁場があります。そこは最もメスが集まってくる場所で、強い生存競争に勝ち抜いたオスだけが集まってこれる漁場なんです。

そのために、この漁場で獲れる越前がには身も充実し、沖合いで獲れるものより、甘さ、香りの両面において格段に秀でているんです。うちではこの最高品質の『プレミアム越前がに』を使っています。」

品質にこだわり、大きさにこだわる。

その根底には「お客様に本当に美味しい越前がにを食べていただきたいから」という荒矢さんのひたむきな気持ちがうかがえます。

 

 

ajibito_araya303終わりに

荒矢さんは数年前から全国の催事やイベントにも積極的に参加しています。

「10年前まではここ(越前)にいて、ここの仕事をとこだわりを持ってやっていましたが、催事を通じて、越前自慢の地場もんである蟹料理文化を全国に紹介し、さらに創意工夫を重ね、優れた食文化を発信していきたいと考えるようになりました。

先日の催事では越前で水揚げされた蟹と蟹みそをご飯の上一杯に盛りつけた『越前!蟹丼ぶり』を用意し、ありがたいことにたくさんのお客様に召し上がっていただけました。越前がにという最高の素材を身近に仕入れることができ、腕を振るうことができる。そして僕の料理を『美味しい!』とお客様に言っていただける。

これは本当に料理人冥利に尽きます。これからも越前ガニの歴史と文化を、そしてその美味しさを全国のお客様に伝えていきたいと思います。」

 

越前がに一筋30年。「古きを温ね新しきを知る」

越前がに食文化の伝統を守りつつ、荒矢さんの目は、故郷:越前の地から新たな世界を見据えています。

 

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