講師 蔦 洋子 さん

Y&Y food labo 代表
1級フードアナリスト
(社)フードアナリスト協会評議委員/認定主任講師

Profile
「内面美容と、食による美しく健康な体作り」の情報発信を目指し独立。株式会社Y&Yを立ち上げ、その後、フードアナリスト1級及び認定講師・箸講師・食育講師の資格を取得して協会認定主任講師を務める。専門学校や大学、エクステンションカレッジにおける食にかかわる全般講師、フードライターとして活動中。

【主な保有資格】
(社)日本フードアナリスト協会1級・協会認定主任講師・箸認定講師・食育講師
NPO法人日本フードコーディネーター協会 認定フードコーディネーター

【記事執筆】
東京ガスHP連載、ANA・JCB高所得者向パンフレット・サイト、他
MOOK、講談社、ぶんか社、セブン&アイ出版、成美堂出版、他
雑誌:週刊新潮、OZマガジン、週刊ダイヤモンド、他

 【メディア(Commentator・Reporter)】
ズームイン!!SUPER、お願い!ランキング、やじうまテレビ!、ZIP!ショップチャンネル
日本経済新聞、神奈川新聞、東京新聞(蔦洋子厳選シリーズ)サンケイリビング、他

【専門学校】
東京観光専門学校、東京ホテルビジネス専門学校、国際パティシエ調理専門学校、佐伯栄養専門学校、他
【大学、Extension College】
上智大学、東京農業大学、女子栄養大学、神奈川大学、桜美林大学、法政大学、昭和大学、亜細亜大学、他



過去開催記事

「あじたびサロン」とは

楽しいシニアライフを考える上で食生活は欠かせません。
日々の食事が美味しくて、食事の時間が愉しい。これほど幸せで健康なことはありません。

『美味しいシニア向けメニューを考える』 これが「あじたびサロン」のテーマです。
これまで仕事に家庭に、日々の生活に追われ、自分たちの時間もなく過ごしてきたシニアの方々ですが、今ようやく自分たちの時間を持つことができるようになりました。

元気なシニアの皆様に向けた、美味しく楽しく、ちょっと健康や身体のことも気遣って・・・そんなレシピを、少人数用から作れるよう考えていきます。
ご夫婦二人で作って美味しい、ご家族みんなで作って楽しい、そんなレシピをご提案します。

「皆様で美味しい食事の時間を過ごしていただきたい。」それが食材をお届けする者の願いです。食材をより美味しく料理していただけたら嬉しいですし、素材を無駄なく使うことで食材たちも喜ぶはずです。

毎回その道の達人をゲストに招き、私たちがネットワークする生産者、料理人、多くの志のある方にもご登場願います。
産地の光景や食材のルーツ、作り手の苦労や料理のひと手間など、普段なかなか聞くことのできない秘話を伺ったり、伝統的な食文化や食習慣について学ぶことは、皆様がご自宅で楽しめるメニューの参考になるはずですし、「日本の食」の素晴らしさを次世代へ継承していく一助になるはずです。

私たちと一緒に、食べて、学んで、愉しむ「味な旅、味の旅」に出掛けましょう。

「あじたびサロン」編集長 渡辺幸裕


今回の食材と料理

今回のあじたびサロンは11月28日に行われました。「おいしさは作法から」に原点回帰。 和食のマナーと日本の食文化を学びました。


講師 蔦 洋子さんインタビュー

箸についてどのようにお考えですか?

世界では箸食以外にも手食やフォークナイフ食などがあり、それらの食器が出来上がった背景には宗教や作物、気候など様々な文化が絡みあっています。そのため食文化を大切にするということは、その国を尊重するということにもつながります。ですから、日本に生まれた食文化や料理を大切にするということは、私たちが今まで築いてきた文化を大切にするという事にもつながります。

世界中で箸を使って食事をする民族は多々ありますが、最初から最後まで箸だけを使って食事をする民族は日本人だけです。そして、日本には様々な箸の種類があり、それぞれが伝統行事と深く結びついています。生後100日を過ぎての「お食い初め」に始まり、亡くなった際の遺骨の「骨上げ」に終わる、という、生まれてから亡くなるまで一生箸を使い続けるのが日本の文化ともいえます。まさに箸は日本人にとって食事だけではなく、人生にも密接に結びついているものです。

 


和食のマナーについてどう思われますか?

和食の作法の一番はお箸がきちんと使えるかどうかということだと思っています。なぜなら、お箸は日本料理の原点であり、お箸を上手に使うことがマナーの第一歩だからです。

きちんと基本を押さえていれば、迷わずに正しいマナーで食事ができます。ビジネスにおいてはお客様や取引先との会食の場面があるかと思います。その際にスマートにきちんとしたマナーができていると「この人は教養がある」と思われます。これはビジネスにおいて大きなプラスになると思います。

また、和食のマナーはお客様だけではなく、料理を作っていただく方への配慮も大事です。

料亭など会席料理の場面では、漆器を傷つけないように派手な装飾品は外す。高級寿司店のカウンターで寿司を食べる際は、カウンターが傷つかないよう腕時計を外すなどの気配りをさりげなく行えると、お店側の方の対応も変わってくると思います。是非覚えていただけたらと思います。

ただし、和食のマナーの基本は「相手を不快にさせないこと」ですので、状況に
応じて対応すれば良いかと思います。

 

シニアと和食のマナーとのかかわり方について

昔から日本では「箸には神が宿っている」と考えられていて、伝統行事にも箸は密接に結びついています。神が宿っている神器なので、我々の祖父母世代は「箸が使えることが一番のしつけ」という風に言っていました。

昨今、テレビ番組内で芸能人の方が目を疑うような箸使いをされている場面を見かけます。その背景には、核家族化が進み、共働き家庭が増えたこと。また子供たちも塾や習い事に追われ、家族が別々に食事を摂る「孤食」が増えたため、箸使いを教える家族がいなくなったためとも言われています。日本の食文化の原点である箸使いが廃れつつあります。

シニアの方たちは、幼少の頃より箸使いをはじめ、和食の作法をご両親から身をもって教えられてきたかと思います。

前述のように、箸使いは和食の作法の原点ですし、ビジネスの場面においても注視される作法です。

 

ご自身が幼少の頃に体験されたように、ご家族で会食をされた際に、お子様やお孫さんになぜ箸使いが大事なのかを説明し、しっかりとした箸使いを教えていただき、日本の食文化を次世代に継承していただけたらと思います。

また、自分の箸があるのは日本だけです。その根底には、自分の箸を、責任を持って扱うという責任感を身につけるためともいわれています。箸使いを良くするには、自分に合った箸を持つことも重要な要素です。もしお子様やお孫さんたちが自分の箸をお持ちでないようでしたら、買って差し上げるのも良いかもしれません。

 

 


試食会参加者の声

山田谷隆史 様  日本人として知っておいた方が良いことがまだまだ沢山あって興味深かったです。
箸の持ち方ひとつにしても、ビジネス上、会食に活用できるマナーを勉強できて良かったです。
日頃から意識していきたいです。

片倉充 様  本日の講義はとても役に立つと感じました。
箸の話がこれほど奥深いものだと思わず、改めてその素晴らしさに感動しました。
今後もこのような「躾?」ともいえる常識について知りたいと思いました。今後マナーについて気を付けていこうと思います。

 

菊池理恵子 様  全てが日常生活に活かせるもので、とても為になり興味を持ちました。
箸の使い方にしても歴史や使い方が多くあり驚きました。
小さい事から実践していきたいです。

石井 茜 様  食事では、他人からみて不快感のないようにだけは心がけていますが、本日の講義で一つ一つの理由が分かり興味を持ちました。一度にたくさんの事を習ったので、復習しながら一つ一つ実践していきたいと思います。自分に合う箸も探してみたいと思います。

 

児玉奈央様  歴史や箸の種類まで掘り下げて聞けて楽しかったです。
和食マナーは日常で実践可能なことばかり。とりあえず、恥をかかないようにしていきたいです(笑)

 

大江智希 様  普段はバランスよく食べて、ご飯、汁物、おかずの食べ終わるタイミングを合わせるようにしています。箸の持ちかたは幼少の頃習いましたが、今回の実践テストで間違っていたことに気付きました。知らないことが殆どだったので、想像以上に勉強になりました。歴史等もっと知りたいです。話のネタに(笑)

福島 明 様  VeryVeryGood!歴史など知らないことが多く、大変勉強になり良い機会でした。
和食マナーや歴史は小学校でも教育すべき!次は洋食のマナーも勉強したいと思いました。

敷田勇志 様  食事マナーで「人となり」が見られるので、しっかりしていきたいと思います。箸についてはあまり考えたことがなかったので、いい勉強になりました。こういうサロンは定期的に開催していただきたいと思いました。

 

小河菜穂 様  箸のことだけじゃなく食事の作法も教えていただき、とても勉強になりました。普段は「こぼさず食べよう」程度の意識でしたが、家に戻り、今日の講義を復習して、「品」のある女性を目指したいと思います!日本の伝統料理のことも全然知らないことを実感(汗)

 

矢代延久 様 歴史については目からウロコでした。食事マナーは大切だと思いますので、習ったことを早速実践していきたいです。今回のように実際に役に立つテーマはまた参加したいです。良い機会でした。ひとつだけ・・・割り箸をうまく割れる方法を誰か・・・。

  田村和貴 様 箸の持ち方は分かっていても、使い方や種類までは把握していなかったので聞けてよかったです。和食のマナーでは、普段の自分の食べ方と比較すると恥ずかしいばかり。社会人としてはこれくらいのマナーは知っておくべきと思いました。
 

野田健太 様  普段、何気なく行なっている動作の意味が知れて勉強になりました。
刺身や天ぷらなどの食べる順番、食事の形式が知れて、また、利休箸の意味が知れてよかったです。

 

小野智昭 様  箸の奥深さや作法で知らないところがあり勉強になりました。
和食のマナーから作法まで、一連の流れを教えていただきありがとうございました。
このような会があるとは知らなかったので、次回もぜひ参加したいです。洋食も学べたら嬉しいです。

 

松本友里恵 様  実践的な内容を聞くことができたので参考にしていきたいと思います。
改めて、箸の使い方を見直す機会になりました。箸の種類については初耳だったので、とても勉強になりました。今回は和食でしたが、洋食も学べると良いなと思いました。

 

阿部琴栄 様  和食マナーは料理によって細かくたくさんあることは何となく分かってはいましたが、今まで学ぶことがなかったので今回とても勉強になりました。箸の使い方は普段から気をつけてはいましたが、持ち上げ方から細かい決まりがあることは初めて知りました。お話がおもしろく、あっという間に時間が経ちました。とてもためになりました。

 

鈴木慎平 様  知っているようで知らないことが多くありました。普段、なかなか会席の場はないですが、これからさまざまな場面で多くなるので聞けてよかった。端使いや和食作法は、実生活にも役に立ちますので、とても為になりました。

 

深井 様  普段、とりあえずきれいに食べることを意識していますが、普段のことがNGだったり・・・難しいと思いました。和食のマナー、箸の歴史等、初めて知ることばかりで勉強になりました。


総括

今回のあじたびサロンのテーマは「和食のマナーと日本の食文化」

箸認定講師であり、フードアナリスト協会認定主任講師でもある蔦洋子先生をゲストにお招きし、和食のマナーと和食文化について講義をしていただきました。

過去5回のサロンでは、料理を食べながら、食文化の歴史や調理の技術を学んできましたが、今回は趣向を変えて、「おいしさは作法から」ということで、「和食のマナーと日本の食文化」について座学で勉強し、その後、実食会をおこないました。

冒頭から蔦先生による和食のマナーチェック。目の前にある箸と椀の取り方で、和食のマナーができているかどうか分かるとのこと。箸から取る人、椀から取る人それぞれいる中で、蔦先生から正解が発表されました。まず汁椀を両手で取りひと口、次いで椀を片手に利き手で箸を掴み、椀を持つ手の人差し指と中指で箸の先端を挟み、利き手に持ち替え実と汁を交互にいただく方法が正しいマナーということで、目からうろこの講義が始まりました。

日本では昔から「箸には神が宿っている」と考えられていて、様々な箸の種類があり、それぞれが伝統行事と深く結びついているとのこと。またハレの日とケの日(日常)に使う箸が違い、ハレの日に両端が細くなっている「柳箸」を使うのは、ひっくり返して取り箸として使用するためではなく、神様と人間が共飲共食するためだそうです。そのため、正式なお客様を招待するときは、どんなに高級でも塗箸ではなく、両細の箸を出すのがマナーなど、普段何気なく使っている箸にそんな意味があったのかと改めて発見がありました。

嫌い箸の場面では迷い箸や刺し箸、涙箸など、和食のマナーで禁忌とされる行為を、蔦先生が解説。ちなみに嫌い箸ではないのですが、よくやってしまう和食のマナー違反が「手皿」。手皿がだめな理由は、箸の使い方が下手だと公言しているようなものだそうです。

箸の使い方を教わった後、ミニゲームを実施。30秒の間に、箸で小豆を皿から皿へ移すとゲームです。箸使いの上手なシニアの参加者はスイスイとこなしていく中、箸使いに難のある若手の参加者は悪戦苦闘。結果が如実に表れました。「箸使いがうまくない人でも、朝昼晩毎日訓練していれば必ずうまく持てるようになるので、練習してほしい」との励ましの言葉を蔦先生よりいただきました。

その後、日本の食文化について学習。我々が普段「かいせき料理」と呼んでいる和食は、千利休の茶道から始まった「懐石料理」ではなく、江戸時代の後半から生まれた「会席料理」だそう。お茶席で食べる、お茶(お濃茶)を飲むための「おしのぎ(空腹をしのぐ程度の料理)」が茶懐石料理で、ご飯の盛り方や椀の置き方など様々な作法があります。一方会席料理は、酒宴向きの料理なので、味付けは濃いめで見た目が豪華。マナーは格式ばっていないので、時代の変化に柔軟に対応でき、現代の和食文化につながっているとのことでした。

 

日本の料理の歴史を学んだあとは、会席料理の作法について学習。献立は料理の設計図なのでしっかり見ること。まずは吸物からいただくこと。刺身や天ぷらは左手前から順に食べていくこと。さらに、ふすまの開け方から座布団の座り方、配膳の位置など、会席時以外でも役に立つ作法まで、それぞれ理由を解説しながら教えていただきました。

ちなみに茶碗蒸しは吸い物の代わりなので、箸でかき混ぜて崩して食べても構わない。という驚きの作法も教えていただきました。

会席料理の作法を一通り教わったあとは、いよいよ実食。今回は焼き魚を主菜に、飯物・椀物・煮物・香の物という、一汁三菜というスタイルで、シニアの方と若手の方に食事をしていただきました。

参加者のみなさんは、まずは三手で箸を取り、吸物をいただき、続いて中の具をいただきと、先ほどの蔦先生の指導を思い出しながら食事を進めていきます。

そんな中、蔦先生からビシビシと指導が入り、そのたびに「あ、しまった」と気付かされる参加者の方々。

 

特に指導が多く入ったのが、「手皿」と「渡し箸(食事の途中で、小皿・小鉢など器の上に箸を置くこと。料理の上に箸を渡す行為は、作った料理人に対して失礼にあたるため)」。普段の食事の中でも最も多いマナー違反なのだそうです。

蔦先生の指導よろしく食事を進めていくと、シニアの方から「マナーを意識して食べると、ゆっくり食べられて早食いにならないね。」という声があがりました。和食のマナーには、食べ物を大切に食べる、丁寧に一個ずつ食べるという意味もあるのだそうです。

シニアの方と若手の方との大きな違いが「箸使い」。特に焼き魚を食べる場面において、特に顕著でした。シニアの方は箸先を上手に使ってきれいに食べ進めていきますが、若手の方は大苦戦。この日のために箸使いを特訓してきた方もいらっしゃいましたが、焼き魚を食べる段になり、箸の使い方が普段通りに戻っていました。聞くと普段から魚を食べる機会が少なく、出てきても切り身の魚が多いとのこと。「魚をきれいに食べられると知的に見えますよ」との蔦先生の言葉に、「明日からも頑張ります」と意気込みを新たにされていました。

 

食事を終えた後の話題はやはり「和食のマナー」について。談話の冒頭は椀の扱い方や魚の食べ方、懐紙の使い方などの質問が上がっていましたが、話が進むにつれて、骨付きの手羽はどうやって食べたらよいかとか、塊の肉が出てきたらどうしたら良いかという和食とは脱線気味の話題になり、蔦先生から「会席料理ではそのような料理は出ないので…」と言われ一同大笑いで幕を閉じました。

前回のサロンの出汁に引き続き、和食の要である「作法」と「和食文化」を学びましたが、作法にはすべてにおいて理由があること。そしてそれは食事をする相手だけではなく、料理を作ってくれた料理人に対して、給仕をしてくれた方に対して、さらには食器や料理自体に対して敬意を払うという、日本人としての思想観が根底にあることを知りました。

また、和食の作法を意識することで、自然とゆっくり食事をすることになり、結果として少量でも満腹感を得られるという、思わぬ効果が発見できた今回のサロンでした。

 

 

 


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