4月に雪!?【熊本編】
2013年4月11日木曜日
全国の産地を巡り、生産者の思いや産地での驚き体験を伝える、「あじたびスタイル」が始まりました。
第一回目の目的地は、熊本県。
加藤清正の熊本城と、今やそれを遙かに凌駕する「くまもん」人気に沸くこの土地は、海の幸や山の幸がふんだん!そして畜産業も盛んな県です。
我々がまず向かったのが、熊本空港から30分強の距離にある阿蘇山。
お目当ては、世界最大級のカルデラを持つこの山の麓で育てられている「あか牛」です。
見渡す限りの大草原に草をはむ牛の群れ、遠くから見ると赤色にも、また時には金色に輝く牛、そんな「あか牛」の姿を楽しみに向かったのですが…
当日の天気は雨…。
空港から阿蘇に向かうにつれ、鉛色の雲はますます色濃さを深めるばかり…。
阿蘇の牧場に着いたときの気温はなんと3℃!
みぞれが吹き付ける、4月とは思えない荒天でした…。
そんな荒天の中、牛舎の中でのんびりしていた牛は元気いっぱいに角を上下させて我々を歓迎してくれました。
藤原場長にお話を聞くと、牛は暑さに弱いらしく、逆に寒さは有り難いんだとか。そんなこともあって、熊本の中でも阿蘇のような高地での放牧が盛んだそうです。
だからこんなに牛達が喜んでいるんだなぁと感心しつつも、こんな陽気の中、ジャケット一枚で見学していたわれわれ人間は、手がかじかみ、歯の根は合わなくなってくる始末…
早々に車に乗り込み、暖を取りつつお話を伺うことに。
「あか牛」は和牛の一種で、明治時代に日本の牛と外国の牛が交配して誕生した品種だそうで、古くは農耕・運搬などの役用牛として、この阿蘇で誕生し、やがて熊本県内各地で飼われるようになり、九州へ、全国へと広がっていったそうです。
それが今日の熊本では、何かのきっかけで美味しい肉用牛となったとのことで、余分な脂肪が少なく、和牛本来の赤身の美味しさと自然な香りがあり、近年注目を浴びて来た牛肉です。
そのあか牛の旨さは、フランスで日本の人間国宝に値する「フランス国家最優秀料理人賞」を受賞した、フランス料理の一流シェフ、ジャック・ボリーさんをはじめとし、東京ドームホテルの鎌田総料理長、千葉の有名イタリアン「カステッロ」の山田シェフも唸らすほどで、「肉本来の味を楽しんでもらえるような傾向が飲食業界でも出てきたことは、我々あか牛の生産者としても嬉しい限り」と藤原場長も喜んでいらっしゃいました。
場長に牧場を一通り案内していただいた後に、熊本市内のレストランへ。
市内に戻ってくると、先ほどの凍えるような寒さも落ち着き(それでも気温は14℃位でとても心地よい陽気ではありませんが)、生き返った心地になった瞬間、お腹がグウッとなり、いよいよお楽しみの試食タイム♪♪
鉄板に乗ったロース肉とモモ肉が、ジュージューと音を立てて来る様を見ると、食欲は最高潮!
熱々のあか牛にソースをかけ口に入れると…
いや~、実にうまい!!
赤身中心のお肉を噛みしめると、脂の甘味ではなく、肉の旨みが口の中にじゅわーっと広がり、肉の味がダイレクトに楽しめます。
噛みしめるたびに溢れ出す赤身のジューシーさは、あか牛ならではの味わいです。
食べ進めるうちに、通常の肉より鉄分の味を感じたので聞いてみると、牧草を食べて育ち、元気よく走り回っているあか牛は、一般の黒毛和牛に比べ、鉄分やタウリン、カルチニンなどが豊富に含まれているため、鉄分の味が強いんだとか。
なるほど、美味しく食べられて、かつミネラル豊富というのは嬉しい限りです。
旨い旨いと食べていると、今度はローストビーフが運ばれてきたので、こちらも頂戴することに。
このローストビーフがまた絶品!
秘伝の調味料でじっくりとローストしたあか牛のローストビーフは、赤身を最高に美味しく食べさせる調理法だと思います。
もう一切れ、もう一切れと思っていると、あっという間にお皿は空に。
いや~、実にうまいローストビーフでした。
熊本阿蘇のあか牛を堪能させていただいたランチでした。
ご馳走様でした!
追記:
レストランに併設されたスーパーで販売されていた、おすすめの「飲むヨーグルト」を購入したのですが、これがまた超特濃の飲むヨーグルトで、瓶を逆さまにしても出てこず、瓶の底を叩きながら頂くという、変わった飲み方をさせてもらいました(笑)
ちなみこのヨーグルト。自家牧場の搾りたてジャージー牛乳を使用し、特別な手法で造り上げたヨーグルトだそうで、味わいはまろやかでコクのある美味しいヨーグルトでした。