出荷のその日まで、一つ一つ丹精込めて【今井敦】
『清水白桃』発祥の地:岡山市一宮
岡山市の中央部に位置する一宮地区(いちのみや)。
童話『桃太郎』で、巨大な桃が流れてきた川のモデルとされる笹ヶ瀬川が流れる平野が広がります。
一宮地区と言えば、岡山を代表する白桃生産地にして、白桃のナンバーワンブランド「清水白桃」発祥の地。
清水白桃が生まれたのは今から100年ほど前。果実を食した後の、種捨て場にあった種が偶発実生し、誕生したのが始まりだそうです。
その後、生産者の方々によって、品種改良が進められた清水白桃は、現在では、桃の最高峰と言われ、「桃の女王」とも評されています。
今では岡山全域で栽培されるようになった清水白桃ですが、一宮地区は水はけの良さから、上質な白桃ができることで知られており、一宮の清水白桃はトップブランドとして、県内外に知られています。
今井さんの清水白桃
清々しい甘さ、とろけるような食感とジューシーな白い果肉、そして何よりも高貴な白桃香。それらすべてが高次元でバランスしている「清水白桃」は、白桃発祥の地:岡山においても、並ぶものがない最優良品種です。
地元:岡山では「桃なら断然清水白桃!」と言われる方も多数いらっしゃいます。
その『清水白桃』を真剣に、手間隙かけ、そしてお客様が喜ぶ顔を思い浮かべながら作り続けているのが、一宮地区で、親子三代にわたり桃作りに励んでいる、清水白桃生産者の今井敦さんです。
美味しい桃は良い土づくりから
今井さんの桃がおいしいのは、すべてにおいてこだわりがあるからです。
今井さんの園地は水はけが良く、採光に優れた斜傾地で、一宮の中でも桃の栽培に適した良地にあります。
「おいしい桃作りは、まず土作りからはじまるんです。」
よりおいしい桃を作るため、桃にとってどんな環境が適しているか、日々研究を重ねた結果、たどり着いたのが、有機肥料を使った土作りでした。
「土が健康なら、桃にとっても良い環境ができるのではないかと思いました。有機肥料を使うことで、桃たちも元気になったように感じます。」
おいしい桃作りのためには決断が必要
秋期・冬期に余分な枝を切り、2月に蕾の間引きを行ない、3月は受粉作業に追われます。
ゴールデンウィーク頃になると、桃もたくさんの実をつけるようになります。
ところが、このたくさんなっている桃の実を、ひと枝につき2個だけ残して、あとは全部取ってしまうのだとか。
「一本の枝に沢山の果実を付けておくとどれも、大きくなりません。勿体ないようですが小さな果実を間引きます。こうすることで隙間から光が差し、栄養も行き届き美味しい大きな桃ができます。」
また、残った2個も6月中旬になると1個に絞り込むそうです。
「ひと枝に2個ずつ残した玉を吟味して大きさ、形、色艶の良い方を1つだけ残します。ひと枝にひとつにしていき、他は全部落とします。落とした桃もおいしく食べられるかもしれませんが、おいしい桃作りのためには、決断が必要です。」
ただひたすら、おいしい桃を作りたいという今井さんの情熱が伝わってきます。
スーパーロイヤル清水白桃
「手間暇かけて育てた桃を、一つ一つ光センサーによって糖度を計測し、厳しくチェックしたものだけを出荷します。こうすることで、甘さの偏りがなくなります。みなさんにおいしい桃をお届けしたいから、手は抜きません。」
今井さんが育てた清水白桃はどれも素晴らしい味わいですが、その中でも特別な清水白桃が「スーパーロイヤル清水白桃」です。
「スーパーロイヤル清水白桃」の糖度はなんと13度以上。生産組合が出荷する清水白桃の最上級「ロイヤル」が糖度12度以上ですから、最上級の清水白桃よりもさらに糖度の高い桃を生産できるのは、今井さんなればこそ。
その味わいは「清水白桃の中でも別次元のうまさ」です。
清水白桃のおいしい食べ方
「清水白桃は、包丁を使わなかくとも、皮を手でスーッとむくことができます。皮と身の間が一番甘くて栄養も豊富。大きな口をあけてかぶりつくのが、清水白桃の一番おいしい食べ方ですよ。」
言われるがままにかぶりついてみると、みずみずしい果汁と身質の細かい柔らかな食感、そして口の中に、桃の香りと甘さがいっぱいに広がります。
気取らず、あくまでも自然体で。
おいしい桃の食べ方は、今井さんのおいしい桃作りに通じるところがあります。
終わりに
今井さんはおいしい桃を作るだけではなく、販売にも力を入れています。
組合から独立して、独自の販売ルートを開拓。
「組合に所属していれば、品質を問わず、すべて引き取ってくれるので、安定はしていました。ただ、そこにはお客様という視点がありませんでした。
組合から独立する事で、収穫した桃を、どうやってお客様に買っていただくか、また、お客様に満足していただくためにどうしたらよいのか、お客様視点で考えられるようになりました。
お客様から『おいしかったよ』という言葉をいただくために、毎日毎日が勉強です。」
そうおっしゃる今井さんは、現在、桃の加工品製造にも取り組んでいます。
「食べてくださる人の笑顔を思い浮かべながら、出荷のその日まで、一つ一つ丹精込めて。」
今井さんのひたむきな気持ちが、抜群の味わいの桃を育てています。
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