こんぶにだっこ【北海道利尻編】
北北海道の味な旅の最終日は利尻島を目指します。
利尻と言えば、昆布とウニ!
特に「最高級の利尻昆布を食べて育った利尻の生ウニは、得も言われぬ美味しさ」と、生産者の米田さんの言葉を聞き、今回の利尻訪問を楽しみにしていました。
前日は車が横に流されるほどの突風。利尻島に向かうフェリーも、朝の一便しか出なかったと聞き、無事フェリーが出るのか心配しましたが、夜が明けると風も落ち着き、絶好の船出日和になりました。
稚内港からフェリーに乗り30分ほどすると、海面からそびえ立つように利尻島のシンボル:利尻富士が出迎えてくれます。
船に弱いあじたびスタッフは、若干船酔いになりながらも、迫り来る雄大な利尻富士の姿に感動!ここで写真を一枚!と、夢中になっていたのか船酔いも忘れ、賞味1時間半ほどの船旅を無事終えることができました。
利尻島は澄み渡る空と、真っ青な海が印象的。
訪問した当日が快晴だったこともあり、日差しがありながらも吹き抜ける北国の冷涼な風が心地よく、北米のリゾート地に来たような雰囲気です。
と、観光気分はここまでで早速米田さんを訪問することに。
米田さんの元を訪れると、「利尻までよくお越しくださいました!たいしたおもてなしもできませんが…」と出していただいたのは、丼いっぱい山盛りに盛られたウニ丼。
「ガンゼ(エゾバフンウニ)はまだ漁が解禁になってないのでノナ(キタムラサキウニ)ですけど」と恐縮気味の米田さん。
いやいや、たいしたどころか十分すぎるおもてなしです。
上からわさび醤油をかけ、豪快にかきこむと… あっま~い!
あれ?でもこれ甘すぎじゃないですか?
もしかして醤油が甘いのでは…
そう思い、醤油だけを舐めたら、しっかり塩っぱい。
ということはウニだけでこんなにも甘いんですか!?
今までいくつかの産地でウニをいただきましたが、ここまで甘いウニには初めて出会いました。
感動の余韻に浸っているあじたびスタッフに、米田さんが衝撃の一言
「本当はガンゼの方が味が濃くて甘いんですけどね…」
本当ですか!?これだけ甘いウニを超えるウニがあるなんて…
ちょっと信じられません。
うに丼をいただきながら、米田さんから色々とお話しを伺いました。
米田さんのところでは、何よりもウニの鮮度を重視していて、ウニは取り置きをせず、仕入れたその日のうちに生ウニとして出荷するか、微塩をして粒ウニに加工します。
そのため、予定していたフェリーが欠航してしまい、午前中に作っていた生うにを出せないときは、生ウニとして出荷する予定だった商品のパッケージを開封して、塩ウニにするのだとか。
「ウニは一日置くと鮮度が落ちるので、うちでは生ウニとして出荷しません。自分が納得した鮮度の商品をお出ししたいと思っています。本当はうちに来て、獲れたてのウニを食べてもらいたいのですが、なかなかそれは難しいでしょうから。利尻のウニの名を汚さないよう、考えられ得る最高の鮮度でお客様にお届けしたいと思っています。」
利尻島のウニに対する思いが人一倍の米田さんならではの言葉を聞かせていただきました。
「今度はガンゼを食べに来てくださいね。」
そう笑顔で送り出してくれた米田さん。
素晴らしい景観、素晴らしい味、素晴らしい人に会えた利尻島の産地訪問でした。
と、ここからはオフレコで。
米田さんの店舗の真向かいに、新横浜ラーメン博物館にも出店している有名な利尻ラーメン店があり、最初から目をつけていたあじたびスタッフは躊躇なく一直線!
利尻昆布をふんだんに使った旨味凝縮スープは一滴も残せません。
またやってしまいました。
パンパンです!
追記:
利尻島を回っていると、いたるところで昆布を干す風景が見受けられました。
海からの潮風と照り返しの強い太陽にさらされ、2年間熟成されて出荷される利尻昆布。
その上品な旨みの背景には、過酷な環境で育つ生命力の強さがあるのだと実感しました。
米田さんの利尻産ウニ商品はこちら