天空の農園【新潟津南編】
井口さんと別れた後は、十日町に宿泊。
翌日は津南町の直売所で行列のできるとうもろこし「鬼もろこし」を生産している島田さんを訪ねました。
前日に伺う旨を連絡したところ「せっかくシーズンなんだから収穫作業も見てくださいよ。」と言われ、深く考えずに「分かりました!」と伝えたところ、「じゃあ明日4時半に家の前に来てくださいね」と言われ茫然…
当日は3時半に起床。
眠い目をこすりながら、まだ夜道の国道を走る事30分ほどで島田さんの自宅に到着すると、島田さんが農作業姿で出迎えてくれました。
そこから15分ほど車で山道を登っていくと、別名「天空の農園」と呼んでいる島田さんのとうもろこし畑が見えてきました。
圃場に到着すると、収穫のお手伝いをしてくださる方が数名準備しており、早速収穫作業が開始。真っ暗闇の中、朝露の滴る鬼もろこしから実を手早くもぎ取り、次々と小脇に抱えていきます。
両手に山ほどの鬼もろこしを抱えたら、軽トラに積み込むという作業を繰り返していきます。
収穫開始から1時間ほどで軽トラの荷台は鬼もろこしでいっぱいに!
この頃になって、ようやく空が明るくなってきました。
払暁の空に朝霧が立ち込めるとうもろこし畑の景色が実に幻想的なこと!
「収穫後にこの景色を見ると、疲れも吹っ飛ぶんだよね。」島田さんが笑顔で話してくれました。
収穫作業を終え、島田さんの自宅に戻ると、息つく暇もなく選別作業が始まります。
軽トラの荷台に山ほど積まれた鬼もろこしを、地元のお母さんたちが外皮を剥きながら、サイズと重さを瞬時に判断し、それぞれの規格に分けていきます。
選別作業を見学していると、どこからか甘い良い香りが作業場に漂ってきました。
すると「おひとつどうぞ」と、島田さんの奥様がもぎたて茹でたての鬼もろこしを渡してくれました。
ホカホカと湯気の立つ鬼もろこしは、一粒一粒がツヤツヤで黄金色に輝き、びっしりと詰まって張りがあります。横から豪快にかぶりつくと、口の中に旨みたっぷりの甘い汁が溢れてきて、こりゃもうたまらんです!
「ただ甘いだけのとうもろこしとは違って、鬼もろこしはコクのある甘さが特徴なんです。あとくちもすっきりしているから何本でも食べられますよ。」と奥様。
なるほど~。確かに普段食べているとうもろこしだと、甘いだけで食べた後に水が欲しくなったりしますが、鬼もろこしは甘みにしつこさを感じません。
もう、ひとくち目からコクがあるというか、濃厚というか、風味が豊かで・・・甘みは十分過ぎるほど感じるのですが、味にドッシリ感があります。
皮が薄いので、歯に詰まるストレスもなくひとかじり、またひとかじりと食べ進め、あっという間に1本完食。これは病みつきになる旨さです。
「もう一本ください!」
とは流石に言えませんでしたが、もう一本食べたかったー。
鬼もろこしをごちそうになったので、かごに入った20kgほどの鬼もろこしを軽トラの荷台に積み込む作業を手伝うことにしました。
「結構重いけど大丈夫?」と聞かれ、体育会の血が騒ぎ、とりあえず腰を痛めないよう膝を深く曲げて、スクワットの要領で持ち上げると「ビリッ!」という音と共にチノパンのお尻が豪快に破け、一同大笑い。
慣れないことはするものではないと後悔しつつ、とりあえずチノパンのお尻をガムテープで留めて積み込み作業を手伝い、島田さんご家族に見送られながら、津南の地を後にしました。
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