ステップ!【小豆島編】
高松にてフェリーに乗船し、一路小豆島へ。
小豆島フェリーはその名も「おりーぶらいん」
瀬戸内の海は波静かで穏やか。まるで湖を走っているかのようでした。
途中、瀬戸内の海に太陽が当たり、金波が鮮やかに映し出され、ちょうど途中の島と金波が重なり、神々しささえ感じました。
約1時間の船旅を経て、小豆島の土庄港に到着。
土庄港から車で20分ほど走り、小豆島町で無添加・無着色の「超こだわりの佃煮」を製造されている小豆島食品さんに訪問しました。
明治中期に建てられた醤油蔵をそのまま残し、昭和30年3月に佃煮の製造を開始した小豆島食品さん。佃煮工場は小豆島の中では唯一の有形登録文化財なのだそう。
「こんな遠いところまでようこそおいでくださいました」と、額の汗をぬぐいながら迎えていただいたのが三代目の久留島社長。
「『超こだわりの佃煮』は名前の通り、原料にも製法にも徹底的にこだわって作った佃煮です。味の基本となるタレは、醤油は小豆島産ヤマロク醤油の天然醸造三年仕込の鶴醤(つるびしお)、砂糖は鹿児島産喜界島産100%のさとうきびを使った粗糖、北海道利尻産昆布と鹿児島枕崎産の最高級鰹節から取ったダシを使用しています。タレの原料が良くないと美味しい佃煮が出来ないんです。
また、設立当時から昔ながらの直火炊き製法で炊き上げています。蒸気釜にくらべると焦げの心配があったり、大量に作れなかったりと難点も多いのですが、醤油の香ばしさを素材に乗せ、ふっくら仕上げるには直火炊きでないと。」
すべては最高に美味しい佃煮を作るため。久留島社長には一切の妥協はありません。
この日の小豆島の気温は36℃。
工場内は40℃を超える熱気の中、久留島社長はもうもうと湯気の立つ釜をかき混ぜては火加減を調整し、汗びっしょりになりながら、工場内を行き来していました。
朝の6時から始まった佃煮作りが一段落したのが11時前。
「ひと段落したので、早めのお昼にしましょうか」と言われて、茶碗に盛られたご飯と空のお椀を渡されました。
空のお椀に角切昆布の佃煮を入れ、お湯を注げば即席のお吸い物が完成。
早速すすると、これがうんまい!
羅臼昆布と枕崎の鰹節をベースとしたタレの旨みと、素材の昆布のうまみ。うまみが何層にも重なって深みのある味わい。お湯を注いだだけの吸物とはとても思えません。
次に、炊き立てのごはんには出来立ての超こだわりの佃煮を乗せて、豪快に掻きこむと…
もう幸福度MAX!角の取れた醤油の旨みとベタベタした甘さや雑味のない佃煮が白飯との相性抜群!佃煮が主張しすぎず、ご飯の美味しさをより際立たせます。
炊き立てのご飯と出来立ての佃煮。
日本人のDNAを刺激する究極タッグに、早々にノックアウトしたあじたびスタッフでした。
追記:
土庄のフェリー乗り場からほど近いところに、面白い海峡があるとの話を聞き、早速行ってみることに。
現れたのは「世界一狭い海峡:土渕海峡」
ギネスブックにも認定されているその幅は一番狭いところで9.93m!
一見すると川にしか見えませんが、海峡の定義「陸地によって狭められている水域」に合致するため、れっきとした海峡なのだそうです。
ちなみに世界一広い海峡は南米の南端と南極を結ぶ「ドレーク海峡」で最狭部でも約650kmもあるのだとか。
学生時代に三段跳びをやっていたあじたびスタッフなら、高知のはりまや橋に続き、今度はステップで渡り終えてしまいそうな…(笑)
海峡の往復所要時間は徒歩10秒でした。