価格帯で選ぶ












ドローンが活躍する町【島根:出雲市編】

オーベルジュで一泊して、もとい、お寿司を食べて出雲市内に宿泊。翌日は出雲市内から奥出雲を目指します。

出発前に、平成25年に「平成の大遷宮」を終えた出雲大社をお参り。参道の真ん中は神様の通り道のため、人間は参道の脇道を歩きます。
昔の出雲大社は海に向かって建てられていたそうで、その支柱が実際に埋まっていた場所が境内に赤く示されています。
本殿に辿り着いて早速参拝。参拝する方向は本殿の側面にあたるらしく、人間が正面からお参りすると、神様のパワーが強すぎて、却って良くないのだとか。ということで、本殿は横からお参りするのが慣わしだそうです。


本殿の他にも、10月に全国の神様が集まる東西の「十九社」や、大しめ縄で有名な「神楽殿」などを見学した後に、出雲最初の目的地:出雲そば処 波積屋(はづみや)の玉木さんを訪ねました。

「出雲地方へ蕎麦文化が入ってきたのは江戸時代で、信州の殿様であった松平直政公が松江城に藩主として入城した際に、そば職人を一緒に連れてきたことが始まりと言われています。出雲そばの代表的な食べ方である『割子そば』が確立されたのは、文化人として名高い松平不昧公の時代です。まずは食べてみてください。」

朱塗りの丸い器(割子)に盛られたそばが目の前に供されました。そばの上にはとろろや卵、天ぷらや大根おろしなど素朴な素材が盛られていますが、肝心のそばはかなり太くて黒め…
早速ひとすすり。ツルツル―っいうよりもズルズル―っと言った喉ごしで、コシが強いためしっかりと噛みしめると、そばの香りと甘みが強く感じられ、やはり出雲そばのルーツである信州の田舎そばを彷彿とさせます。

 

「出雲そばが黒いのは、一番挽きの粉から外皮に近い甘皮まで全てを挽き込んだ、ひきぐるみを使用しているからです。そばの実すべてを使用しているため、見た目の色合いは地味ですが、そば自体の味わいは格別かと思います。」
たしかにこの蕎麦をいただいていると『そばを食べている!』とものすごく感じられます。
出雲の割子そば「日本三大そば」の名に相応しい、力強い味わいでした。

 

玉木さんと別れて、いよいよ奥出雲へ。映画「もののけ姫」のモデルになったこの地は、ヤマタノオロチやスサノオノミコトの伝説で知られ、たたら製鉄で栄えた町です。

JR木次線に沿う形で国道314号線が走っており、車を走らせていると左右を深い森が覆っているため、本当に神話の世界に入り込んでしまったかのように感じます。

途中で小腹が空いたのでお店を探していると、木次線の八川駅に「出雲そば」ののぼりが!本日二杯目の出雲そばをいただく事に。

駅と一体化した店の中に入ると、観光客ゼ~ロ~。地元の方向けのおそば屋さんのようです。
おすすめの「ざいごそば」を、温かいのと冷たいので一つずつ注文し、地場の青大豆を使った冷ややっこをつまみながら待っていると、10分ほどでそばが運ばれてきました。

 

冷たいざいごそばは、挽きぐるみのそばを使った伝統の出雲そばに山菜や海苔、鰹節やきんぴらが乗っていて、色味も鮮やか。そばつゆをぶっかけにしていただくのですが、やはりこちらの出雲そばもコシが強くてそばの風味が豊か。ズルズル―ッといただけます。と、ここまでは出雲市内で食べた割子そばと似たようなイメージだったのですが、なんと言ってもインパクト大なのがそば湯!超濃厚でクリーミーな味わいはそばのポタージュを飲んでいるかのようです。


さらに衝撃だったのが、温かいざいごそば!そばとトッピングは冷たいものと変わりませんが、つゆは先ほどのドロ~ンと超濃厚な蕎麦湯がベースになっていて、白濁しています。箸でそばを持ち上げると、特濃蕎麦湯がたっぷり絡まってすするのにも一苦労です。味わいも独特で、地粉を使った手打ち田舎そばの味わいに蕎麦湯のそばの味わいが重なって、そばをすすってそばを飲むというような「出雲のそば、ここに極まれり」といった、生涯忘れえぬ味わいでした。


追記:
奥出雲から瀬戸内側へ抜けるため山道をひた走り、島根と広島の県境に位置する「奥出雲おろちループ」に到着。区間長2,360m、標高差105mを7つの橋とトンネルを使い、二重ループ式で結ぶ道路です。ループ式の道路としては、日本一の規模を誇り、ループ全体が二重にとぐろを巻く姿は名称の通り“ヤマタノオロチ”を連想させます。ループの途中にある道の駅では、イナゴの佃煮や猪の皮はぎ用包丁など、山奥ならではの商品が売られていました。イナゴの佃煮はさすがにトライする勇気がありませんでした…orz