どだなだず!きままつかすな【山形米沢舟形編】
今回のあじたびは山形・秋田。
東北を巡る旅です。
東京から深夜バスで山形に向かい、山形駅に到着したのが朝の6時。
駅構内の待合所で少し休憩したあと、レンタカーを借りて米沢の佐藤畜産さんを訪問しました。
佐藤畜産さんは大正13年創業の米沢牛の老舗で、米沢牛の肥育から加工・販売までを自社で一括管理しています。
今回は加工センターを訪問したのですが、建物に入るとすぐに、上質な和牛が醸し出す甘い香りが漂い、醤油でもあれば、この匂いだけで丼めしを軽く2杯はいけそうな感じです。いや、いけます。
さてさて、宍戸室長のご案内でセンター内を見学させてもらいました。
センター内はHACCP対応の施設になっていて、衛生管理と品質管理が徹底されています。
あじたびの米沢牛はチルド配送でお願いしているのですが、冷凍用の設備も充実しています。
アルコールを使った水冷式の冷凍設備は、空冷式に比べ冷却スピードが速いため、米沢牛の細胞を壊しません。そのため鮮度が落ちにくく、解凍をした際にドリップが出ずに、チルドとほぼ同様の状態で食べられるとのことです。
そんな最新設備を備えた佐藤畜産さんですが、何よりも大切にしてるのは「いっぱいの愛情で牛を育てること」だそうです。
「牛への愛情」をモットーに、佐藤畜産さんが育て上げた米沢牛は、全国肉用牛枝肉共励会で毎年常に上位入賞し、米沢牛共進会においては、近年でも2011年と2013年にチャンピオン牛の栄光に輝いています。
「最先端の技術」と「品質管理」、そしてそれを根底で支える「愛情」
お話しを伺い、佐藤畜産さんの米沢牛がおいしい理由が分かった気がしました。
丁度お昼前に見学も終了し、ランチはやっぱり米沢牛が食べたいあじたびスタッフ。
宍戸室長に尋ね、「米沢牛をリーズナブルに食べられるお店」というわがままに、「それならば」と、米沢市内にある「登」さんというお店を紹介していただきました。
登さんの本店は「登起波(ときわ)」さんという、地元米沢では知らない人がいないというほどの、米沢牛の老舗有名店です。
その登起波さんが、「気軽に米沢牛を楽しんでもらいたい」というコンセプトで出来たのが、こちらの「登」さんなのだとか。
店内は高級感がありながらも、カジュアルさも兼ね備え、ランチメニューはかなりリーズナブル。牛丼の他に、味噌汁・サラダ・漬物・半熟卵か生卵がついて、並盛り1500円。
普段のランチよりも少々高めですが、米沢牛ということを考えるとかなりお得感ありです。
折角なのでガッツリ米沢牛を食べたいスタッフは、プラス300円で肉を大盛りにして注文。
しばらくして運ばれてきた丼には、米沢牛の切り落としが「これでもか!」というくらいに盛られていました。
まずはお肉からいただくと、う~ん柔らかい!そして脂から醸し出される米沢牛の香りと甘み。切り落としといえども、さすが日本三大和牛。食感もおいしさも格別ですね。
続けて、添付の半熟卵を丼の上に乗せ、箸でつついてトロリと黄身が流れ出たところで、肉とご飯、卵を同時に掻き込めば、口の中で三味が一体となって、ただただ美味い!目を閉じれば、気分はもう高級料亭のすき焼き!(多分…高級料亭のすき焼きはこんな味)
もう、最高です!
米沢牛について学び、米沢牛をいただく。
なんとも贅沢な旅の始まりとなりました。
ちなみに、「どだなだず!きままつかすな」は山形弁で、簡単に言うと、「なんでやねん!わがまま言うな」という意味です。
ランチを終え、午後は山形県をさらに北上。舟形町にある「舟形マッシュルーム」さんを訪問し、生産者の長澤社長に農場を案内していただきながらお話しを伺いました。
長澤社長は「欧米先進国では他の食材の女房役として欠かせないのに、日本では付け合わせ程度にしか認知されないマッシュルームを料理の主役に。」という熱い思いを胸に、脱サラをして一念発起。今の舟形ファームを立ち上げました。
今回初めてマッシュルームの農場を見学させていただいたのですが、静寂な空間の中、菌床から一斉に生えているマッシュルームたちはとても神秘的で幻想的でした。
その中でひときわ存在感を放っているのが、舟形マッシュルームさんの代名詞でもある「スーパージャンボマッシュルーム」
傘の直径15cmというスーパービッグマッシュルームは、味も香りも通常のマッシュルームとは段違いで、料理のメインを張れる味わいとのこと。
ただし、このスーパージャンボマッシュルームになるためには、間引きに始まり、収穫のために明け方まで待機することありと、現地スタッフの影の努力を強く感じました。
別れ際に、長澤社長からお土産でマッシュルームをいただいたのですが、旅の途中でもあり、また鮮度の良いうちにいただきたいとも思い、当日の宿の近くにあった居酒屋さんに持ち込んでみました。
「あの~大変恐縮ですが・・・」 マッシュルームの調理をお願いすると、厨房を切り盛りする大将が快く引き受けてくれ、マヨネーズと七味で炒めた簡単なおつまみを出してくれました。「あいよっ!」
いただいたマッシュルームはスーパーで売られているサイズくらいの小ぶりなものでしたが、採れたての鮮度抜群なマッシュルームは、香りといい食感といい、別次元の美味しさ!
マヨネーズの油分がマッシュルームの舌触りを滑らかにし、七味のピリッとした味わいが日本酒に良く合います。
成長し、傘が開いたほうが美味しさが増すと言われるマッシュルーム。小ぶりのサイズでこの美味しさなら、超スーパージャンボマッシュルームはどれだけ美味しいのだろうと思いました。
最後にマッシュルームのお汁をいただいたのですが、これがなんとも風味良く美味いのなんの!お酒のあとだから美味しいのかな?と思いきや、聞けば、旨み成分のグルタミン酸は、しいたけの2.5倍はあるとか。
17世紀のフランス料理の文献にも「マッシュルームからとれるダシは、高貴な客をもてなすのに欠かせない」と書かれているそうで、お汁には、追い鰹ならぬ「追いマッシュ」で深みが増したというところでしょうか。
おいしいマッシュルームに出会い、ついついお酒も進み、宿に戻るとバタンキューでした・・・
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