料理人 槙 かおる さん

プロフィール

割烹旅館に生まれ、幼き頃より瀬戸内の祖父母の家で、新鮮な魚で育つ。
祖母に教わったお袋の味と、家業のおもてなしの味を受け継ぐ。
2006年より始めたブログにて、料理レシピを発信中
各種料理コンテスト受賞、及び書籍掲載多数。
資格、調理師

抱負

日常の小さな幸せ「ときめきと感動」をモットーに、シニア世代のご夫婦やご家族で、作る時から楽しめ、素材の味を活かし減塩と気づかない減塩食、真心のこもった美味しい料理を考案していきたいと思います。

ハスハチキッチン

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過去開催記事

「あじたびサロン」とは

楽しいシニアライフを考える上で食生活は欠かせません。
日々の食事が美味しくて、食事の時間が愉しい。これほど幸せで健康なことはありません。
『美味しいシニア向けメニューを考える』 これが「あじたびサロン」のテーマです。
元気なシニアの皆様に向けた、美味しく楽しく、ちょっと健康や身体のことも気遣って・・・そんなレシピを考えていきます。

現代社会において、冷凍食品やチルド食品は簡単で便利な食事として、日本の食卓に欠かせないものになっています。しかしそれに伴い、料理を作る機会が減りつつあります。

料理離れが進む今だからこそ、今一度、国産食材の良さ、旬や鮮度、食感を感じられる料理を作ってみませんか。
ご夫婦二人で作って美味しい、ご家族みんなで作って楽しい、手間のかからないレシピをご提案します。
またサロンの中で、生産者の方から産地の光景や食材のルーツ、苦労やこだわりなど、普段なかなか聞くことのできない秘話を伺ったり、ゲストを招いて、伝統的な食文化や食習慣について学び、「日本の食」の素晴らしさを再発見していきます。

私たちと一緒に、食べて、学んで、愉しむ「味な旅、味の旅」に出掛けましょう。


今回の食材と料理

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今回の試食会は2月2日に行われました。天草の活き車えびでメニューを作成、参加者で試食とフリーディスカッションを行いました。


料理人 槙 かおる さんさんインタビュー

料理人に聞く

今回のメニューを考えた理由

活車えびの食べ方は、踊り食いと言われるお刺身、塩焼きが代表的で、その次は茹でる、フライなどが一般的ですが、「ときめきと感動」の料理がモットーの槙かおる、日本料理の原点にかえり、シニアの方にすんなり受けいられるよう、ご飯と椀もの、酢の物の3点でシンプルなもの、そしてそれら全てに活車えびを使い、活きだがあえて火を通し、でも通し過ぎない食べやすい食感にこだわり、また3つの料理にそれぞれ違う味つけを考えました。

 

 

今回のメニューで留意したこと

活えびの頭で出汁をとり、それで身に火を通す。
出汁にはお吸い物用に使う利尻昆布を使い、24時間浸水させたのち火を点け、沸騰させずに60度~70度くらいで静かに小さな泡が立つくらいで30分煮出す。
昆布を引き上げ、それを冷ましたものに活車えびの頭だけを入れ、沸騰直前で弱火にし、あくを取りながら40分静かに煮出す。
そして最後に沸騰させ活車えびの身の部分を入れすぐに火を止める。頭で出汁をとり、身は余熱で火を通すという調理法を用いました。

冷める時にえびの出汁が身に染みこむ。
これにより海老がかたくならずぷりぷりした食感がシニアの方でも食べやすく仕上がります。
そして使用した野菜は夫婦2人でも使いきれるよう、里芋やぎんなんなどは無駄なく料理2点に使い回し、しかしながら味も食感も変え、あきさせないよう考えました。

秋の名残りの菊の花、冬の里芋、そして春、はしりの菜の花。
目にも鮮やかに楽しんで頂けるよう野菜を選び、菜の花の茎には隠し包丁を入れ、蕪の葉も長めに茹で、シニアの方のにがてな繊維も噛み切れるよう工夫をこらし、噛む楽しさ喜びを味わって頂けるよう気を使っております。

塩分を減らす為に下処理、下ゆでには一切塩を使わず、だからこそ繊細なえびの出汁を感じて頂けたのではと思います。
付け合せのきのこは先に油を塗り、炒めるのではなく表面にこげめをつけるだけで香ばしさを感じさせ、油の使用も抑えました。

野菜のそれぞれの特徴を最大限に引き出し、塩分の最低に抑え、薄味だからこそ感じて頂ける活車えびの味、そして盛り付けの美しさで「ときめきと感動」を表現しました。

今回は私の大好物の活車えびでしたので、私も楽しくメニューを考え作れ、皆様にも笑顔でご試食して頂き嬉しかったです。
また今回はアシスタントに野菜ソムリエ(米森麻理美)を加え、レシピにひとつひとつの野菜の効能もご説明させて頂き、より濃い試食会になったのではないかと思っております。


あじたびトーク【キーマンインタビュー】

宮内医院 宮内院長(内科医)
板橋で開業医をされる傍ら、赤羽中央総合病院の内科医長を兼任され、特別養護老人ホーム北東京寿栄園で非常勤医師として勤務。

 

 

 

 

 

 

Q1.シニア世代の食(料理)と健康について感じていること

シニア世代の方の中には自分の現在の健康状態を把握せずに、若い時の食への考え方のままで過ごしている方が少なくないと思います。

Q2.これからのシニア世代の食はどうあるべきか

シニア世代に限らず中高齢者全般に言えることですが、高脂血症、高血圧、糖尿病などの生活習慣病を把握するために、まずは健康診断を受診しましょう!

もしも異常値が見つかった場合、それに則った食生活の改善が必要です。
初期段階ではあまり自覚症状が少ないため放置されがちですが、やがて高脂血症、高血圧でしたら動脈硬化が進行し脳血管疾患や虚血性心疾患。

糖尿病では糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性末梢神経障害などの合併症の出現リスクが増加します。
シニア世代の食はまず各々自分の身体の状態を把握するところから始まるべきだと思います。

Q3.シニア世代の食で気を遣うべき事

それではどのように食生活の改善をしたら良いか?
LDL(悪玉)コレステロールが高い場合は卵黄やマヨネーズ、いくら、すじこ、たらこ、かずのこ、などの魚卵、レバーやモツ、バターなどの動物性脂肪をひかえて、食物繊維を多く含む野菜、きのこ類、豆類などを積極的に摂取するように心がけましょう!

高血圧や糖尿病の方は一日の塩分摂取量を6~7g以下。摂取カロリーを適切にして標準体重にする・・・
まだまだお話したいことは御座いますがシニアの方々のストレスになるといけないので(ストレスも生活習慣病の一因)最後に一言!

『美味しい食材を適切な調理法で腹八分目』


あじたびトーク【キーマンインタビュー】

蔦洋子さん
フードアナリスト認定主任講師として、各地で講師を務めるかたわら、大学・専門学校で教鞭をとられ、食関連のライターとして取材をこなし、雑誌制作、TVのリポーターとしても幅広く活躍。

 

 

 

 

 

 

Q1.あじたびサロンの試みについて感じることをお聞かせください。

健康の要である食をいっそう充実させることで、心もより豊かにすることのできる試みだと思います。健康を意識するあまり、味気なくなってしまいがちな昨今の食卓。ちょっとした工夫で美味しく食べられたり、本当に良いものを少しだけいただく贅沢を味わえました。

日本の料理は、素材をいかに美味しく味付けするかではなく、素材が持っている力を最大限に引き出す料理です。担当者が実際に現地を歩いて探し出し、生産者との交流によって送り出される自然の恵みたっぷりの誠実な食材。これらは今、本当に求められるもの、必要なものなのかもしれませんね。

四季のある日本で、旬の食材がもつ力強い生命力を味わう喜び。それを体現し実感することは、明日への活力にもつながる気がしました。
旅や趣味などライフスタイルの提案も充実させていく予定ということで、今後がとても楽しみです。

 

Q2.今回の食材についての感想をお聞かせください。

今回の上天草産クルマエビ。まず噛んだ瞬間の、弾けるようなぷりぷりとした食感に感動しました。嫌みの一切ない上品な旨みが口いっぱいに広がり、すっと引く透明感のある後味は引き際が潔い。

いつも食べている海老が味気なくさえ感じてしまいます。届いた直後は跳ねまわって逃げてしまうほどのイキの良さだというので、出汁に臭みがまったくないのも納得です。上質なものを少量食べたいという欲求を、見事に満たしてくれる食材でした。

 

Q3.出来上がった料理を食べてみての感想をお聞かせください。

時間をかけ丁寧にとられた出汁が、とても優しい味わいでした。出汁をしっかりとることで塩分量を下げることができ、素材本来の旨味をより贅沢に味わうことができましたね。

高齢化などで二人暮らしの家庭が増えると、食材を使い切ることができず単調な食卓になりがちです。が、組み合わせや食感を変えるなど、その問題点は調理の工夫によって解決できるものだと実感できる料理の数々でした。

冷たいままより温めた方がより味を感じやすくなるなど、勉強になる内容も盛り沢山。さっそく実践してみたくなります。


試食会参加者の声

藤倉淳子様 自宅料理教室、おうちごはんキッチン「A Table」主宰
大切に育てられた車えびはとてもおいしく旨みを感じました。塩分控えめなうす味なのに、だしが効いてとてもおいしかったです。食材を大切に使い、同じ素材でもちがう3品に調理し、しまつについても考えさせられました。

藤倉勝浩様 新鮮そのものでとてもおいしかった。やはり料理は素材と出汁ですね。
とれた場所etc. Visualにふれるともっといいかもしれませんね。 厳選された素材を身体にやさしく、おいしい味でかつすばらしい雰囲気の中で味わうことができてとても感動しました。

福島様 今回の料理は本当に塩を使っていないのかと思う位に味がしっかりしていました。
良い素材を使うとこういうこともできるんだと感激しました。
我々が普段口にできるエビについても、最近は偽装の問題もあり、本物を食した人でなければその価値は分からないと思います。

総括

 

今回のテーマは車えび。車えび養殖発祥の地、熊本県:上天草の丸山水産から活きたままの車えびを届けていただきました。

鮮度の良い車えびが活きたまま手に入るのも通販ならではの良さです。

これだけ活きの良い車えびはそのまま刺身や塩焼きでも美味しいですが、今回も料理研究家の槙かおるさんにお願いし、その新鮮さを生かした「シニア向け美味しいレシピ」を考案していただきました。 

今回は腎臓内科の専門医:宮内先生がご参加いただいたことから、話題は自然と塩分の問題へ。

宮内先生のお話によると、健康な成人の方でも、一日の塩分摂取量は10g以下が望ましいとのこと。

一方、私達が普段生活している中での、一日の塩分摂取量は15g前後。実に目標値の1.5倍の塩分を日常的に摂取しています。

参加者の皆さんは20~60代と幅広い年齢構成でしたが、塩分についてはかなり気になっているご様子。ただ、美味しさを追求するとどうしても塩分量が増えてしまうという悩みを皆さんが抱えられていました。 

そんな会話の中、今回の槙さんの料理は、野菜をゆでる際に一切塩を使わず、エビ自体に含まれる塩分のみで仕上げたもの。エビの頭と利尻昆布から取ったダシが旨味を補い、減塩でもとても美味しい料理に仕上がっていました。

槙さんの料理をいただきながら、今度はダシの話題に。

参加者の皆さんはダシについてもこだわりを持たれている方が多く、中には三種の昆布に、三種の鰹節、血合いの有無、計9種類の素材から最も良いダシを作るという実験までされた方も。一方で、ダシ取りは面倒なので顆粒を使われる方もいらっしゃり、ダシ取りが面倒な方のために、麦茶などを冷やす容器に水を入れ、中に昆布を加えて冷蔵庫で保管すれば簡易のダシができると、槙さんのアドバイスもありました。

ダシの旨味は、塩分を抑えても深みがあり、物足りなさを感じません。

素材本来の味も存分に楽しめ、しかも健康を維持できる。

まさにダシは“減塩でも満足度の高い美味しい料理ができる”一石三鳥の魔法のスープだと思いました。

日本の食文化、ダシの魅力を改めて感じさせられた、今回のサロンでした。

 

 


「あじたびサロン」メンバー参加募集中!


ご一緒に美味しいシニア向けメニューを考えませんか?
ご登録いただいた方は以下を考えています。

・試食会への参加資格
・モニター・セミナー等への参加資格
・「あじたび」ツアーへの参加資格

これらのイベントを通じて、皆様方とご一緒にシニア向けの美味しいメニューを考えて行きたいと思います。
専門家や識者のセミナー、生産者や料理人を囲む会、レストランで食する会、産地訪問の旅、など、楽しく学べるプログラムを考えます。
おひとりの参加者が多いですが、「食」という共通の話題が、初対面でもすぐ懇意になるような愉しい空間です。
会話も弾みますので、おひとりでも安心してご参加ください。
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